映画『地獄に堕ちた勇者ども
1969年 イタリア/スイス/西ドイツ 監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:ダーク・ボガード/イングリット・チューリン/ヘルムート・バーガー/ヘルムート・グリーム

この映画はレポートのために観たんですが、正直あまり面白くなかった。そもそも私はゴッドファーザー的な重厚な雰囲気があまり好きではないので、157分の大長編もただの苦痛だった。ナチスにおける性的倒錯というテーマには興味があったけど、いざ観ると、舞台は貴族社会であれ、突撃隊であれ、イギリス映画によくでてくるジャンキー達とあまり変わりないように思う。ヘルムート・バーガー扮するマルティンにいまいち美しさを感じなかったのも原因だろうか。ただ、ストーリー中、唯一のエスプリと思われたギュンター青年が最後はナチスの一員に堕ちていく様には、ふとした憎悪が簡単に人を悪に導くという悪の求心力の強さを感じ、鳥肌がたった。観れば観るほど面白さが分かる、スルメみたいな映画なんでしょう。1・5点。