今わたしが死んだら何を選ぶだろう?

ワンダフルライフ
制作:1999年 日本 配給:テレビマンユニオン=エンジンフイルム 監督・脚本:是枝裕和 出演:ARATA/小田エリカ寺島進内藤剛志谷啓伊勢谷友介

人は亡くなった時、天国の入口でこう言われます。「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?」
その問いかけに人々は自分の人生を振り返り、悩み、後悔し、思い出に浸る。
全体の印象としては、斬新な映画でした。
天国にたどりつくまでの7日間で、自分が残したい生前の思い出をひとつ選び、映画にしてもらうといった設定はなんて素敵なんだろう。この映画の撮影方法は変わっていて、この話はもちろんファンタジーなんですが、ドキュメンタリーのように撮られているんです。だから、スーパー16ミリで撮られた映像は手ぶれもしますし、特にこれといった演出もありません。役者も、演技をしない演技をするといった感じでごく自然体に見えました。また、劇中に伊勢谷友介伊勢谷友介役として登場していることや、死者役に多くの一般の人が出演していることも、この映画にリアリティを加えていたと思います。
ファンンタジーなのにドキュメンタリー。不思議な感覚です。
この映画はイイ映画だと思います。でも日本のミニシアター界が抜け出せないジレンマとでもいうんでしょうか、どうしても地味なとこがあるんです、やっぱり。玄人向けなんですかね。2点。
たしかに死ぬことは恐ろしいことだけど、それよりも、今をちゃんと生きていないことの方が恐ろしいことなのかもしれない。