本当にすべてはここから始まったのかもしれない

『THE SOURCE』(邦題:ビートニク
製作:1999年 アメリカ 配給:ザジフィルムズ 監督・製作・脚本:チャック・ワークマン 音楽:フィリップ・グラス 出演: ジャック・ケルアックアレン・ギンズバーグウィリアム・バロウズジョニー・デップデニス・ホッパー/ジョン・タートゥーロ/ボブ・ディランジョン・コルトレーンマイルス・デイヴィス

TSUTAYAで衝動借りしたこの映画、おもしろいんもん観させていただきました。
これは、50年代末から70年代にかけて流行し、若者文化に大きな影響を及ぼしたビート族とビート・ジェネレーションについてのドキュメンタリー、ということなんですが、ビートニクの「゛」の字も知らない私にとっては、正直サッパリでした。、ビートニクについて予備知識がなかったり、まったく共感できない人にはかなりきびしい作品だとは思います。
ただ、なんというんでしょうか、ビートニクのその熱いエネルギーは、このドキュメンタリーからもひしひしと伝わってきます。テレビのザッピングのように散りばめられた映像や、全編を通して流れるジャズ、ボブ・ディランの歌声、叫ばれる詩は、どれも無秩序で、乱暴で。この映画もまさにビートニクそのものなのでしょうか。確実にとっつきにくくはありますが、ビートニクを感じるにはこの上ない作品でしょう。
でも、これが、戦略というやつなんでしょうかね、パッケージのコピーにある“ジョニー・デップの原点がここにある!”なんてのはまったくもって嘘です。ジョニー・デップビートニクに影響を受けているかは知りませんが、少なくともジョニー・デップが出てくるのはほんの少しだけ。なので、ご注意を。
この映画を観ると、サイケもラブ&ピースも、ヒップホップもすべてのポップ・カルチャーの源がビートニクにある、というのはあながち嘘ではないような気がします。この映画には、本当にすべては、アメリカルチャーは、ここから始まった。そう思わせてくれる力があります。
とにかく、ビートニク運動に出会えてよかったです。口癖のように「予定調和なんかクソだ」とかいう人は見たほうがいいです。
ちなみに、これを観終わった後、私が即座にジャック・ケルアックの『路上』を買いに行ったのは言うまでもありません。2・5点。(ビートニク運動、5点。)
一応、ビートニクについて簡単にうpしときます。
ビートニク[beatnik<beat+-nik(連中)]
  ★これは「ビート族」とか「ビートジェネレーション」とも呼ばれるものです。
  ★1950−60年代,米国を中心に興った順応主義や人間の画一化に反逆する世代。
    ジャズや禅の精神体験を通じて新しい価値を模索しようとした。
  ★米国のケルアックの小説「路上」やギンズバーグの詩「吠える」などが代表的作品。