私をローマに連れてって

『ローマの平日 イタリアの休日』
大原悦子(文と絵) 小野祐次(写真) コモンズ 2005

只今、ただいま。イタリアに行ってきちゃいました。いいところですよー、イタリアは。食べ物はおいしいし、街の人はちょっとおせっかいだけど、やさしいし。温かみっていうことばはまさにこのことを指すんだなって思いますね。みなさんもゼヒ行ってみてください。なんて、ホラを吹きたくなるこの一冊。まさにローマの日常と太陽がぎっしりと詰まったイタリアの味が満載のエッセイです。
イタリアに住みたいな、なんて思っている方、この本は最適です。「ローマの平日」と銘打っている通り、焦点は終始イタリアの日常と料理に当てられていますから、ローマ人の住宅事情や、お買い物事情、交通事情まで、普通の旅行本では教えてくれないような、彼らの普段着の姿が十分に垣間見れます。
でも、この本読むと分かりますけど、ローマ人ってヤツはほんとテキトーですよ。レジの列を無視したり、バスの運行時間をまもらなかったり、お昼には営業しなかったりなどなど。で、こまった時にはジェラート食って、まっいっか。もうほんと、これが日本だったら考えられないことばかり。でも、そういった中にも、ちゃんと食やファッション、街並みへのこだわりなどがあったりして、ほんと、国=人なんだなと感じますね。
元朝日新聞の記者という著者の文章はすごくきれいでこぎみ良いし、ちょっとミーハーなタッチも読んでいてとても心地良いです。この本が、イタリア旅行者のバイブルになるとは言いませんが、自分が外国で生活できるかどうかの指標にはなってくれると思います。とにかく読みやすいし、楽しいし、オススメです。ぜひぜひ一度目を通してみてください。
ちなみに、生まれてこの方21年、テキトークと言われ続けた私が、この本を読み終わった後、即座に『ローマの休日』を借りに行ったのは言うまでもありません。