バンナとアビディ

いやー、今日のバンナ対アビディ戦は熱かった。
まるで『紅の豚』のラストシーンのように、ただひたすら殴り合う2人。
試合前は、遺恨試合ということもあって、ケンカファイトになるんじゃないか?という予想もあったが、そんなことは決してなかった。
ジェロム・レ・バンナシリル・アビディ
彼らは正真正銘のファイターだ。
お互いにハラワタ煮え繰り返る思いで戦っていたかもしれない。
でも、彼らがリングの上で行っていたことは、まさに正真正銘のプロのファイトだった。
いつも劣勢になると、後ろを向いたり、戦意を喪失してしまうアビディも、この日ばかりは違う。
確かに、バンナ優勢の試合展開ではあった。
でも、アビディはフラフラになりながらも、最後まで殴り合った。
そしてバンナのどんなパンチを受けようとも、最後の最後まで折れなかった。
試合としては、バンナが5Rの末、KO勝ちで勝利をおさめたのだけど、この試合において勝ち負けなど、もうなんの意味もないだろう。
試合後、リングの上に残っていたのは、真のファイトに伴なう、ある種の清々しさだった。