バットマンはバカじゃない 2点→3点

BATMAN BEGINS』(邦題:バットマン ビギンズ
製作:2005年 アメリカ 配給:ワーナー 監督・脚本:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイルマイケル・ケインリーアム・ニーソンモーガン・フリーマンゲイリー・オールドマン渡辺謙ケイティ・ホームズ

みんなからのさまざまな反対を振り切って、
ついに見ました。
バットマン ビギンズ!!
[少しネタバレ]

なんというか、
こういうヒーローものの良さっていうのは、
良くも悪くも、
登場人物が“バカ”なとこだと思うんです。
個人的に。

もっそい天才的な悪役でも、
考えてることは、結局、
世界を恐怖に陥れるとか、
そんなんで、
ヒーローはもちろん、世界平和で、
こういう単純なとこがいいんです。

でも、バットマン ビギンズは違う。

主人公(クリスチャン・ベイル)は、両親が殺されたとき、
ふつうなら、そのまま復讐を誓って、正義に目覚める、
みたいな感じだけど、
ビギンズでは、
犯罪者の心理を知るために、自ら罪人になったり、ホームレスになったりしちゃう…
悪役も、その動機っていえば、ふつうなら、
ただ単に、世界征服したい、
みたいな感じだけど、
ビギンズでは、
腐敗してスラム状態となったゴッサム・シティを浄化するため、
ってなやたら真面目くさいことになってる、
しかも、そのやり方が、
水道に強度の幻覚剤を混ぜて、住人の精神を病ませるという…
かなり、狡猾で、陰湿で…。
こういった感じが、クリストファー・ノーランなのかもしんないけど、
なんというか、善悪含めて、どっちも賢くて、嫌にリアルで、
ヒーローもの特有の爽やかさがぜんぜんない!
だから、見てる方としては、バットマンを見てるというか、
どこぞの心理サイコ映画を見ているかのような気分だった。
でも、バットマンはアメコミだから、
やっぱり、世界観はゲームの域を脱せなくて、
ヒーロー映画にも、サスペンスにもなれずに、中途半端になっちゃってて、
けっこう退屈だったり。
もっと、ダークヒーロー・バットマンの、
ダークな部分を前面に押し出せば、面白かったんじゃないかなと、私的には。

でも、やたら金のかかった映像は、とてつもなく迫力あるし、
バットマンの全身真っ黒なコスチュームは、やっぱりカッコイイ。
これだけで、見たいと思ってた人なら、見て損はないかも。

あと、すごい終わり方が後引くから、
ゼッタイ、続きの「バットマン」まで見たくなる。