この監督の作品は全部みようかなっと、からっと!!!?  super

『任逍遥』(邦題:青の稲妻)
製作:2002 中国/日本/韓国/フランス 監督・脚本:ジャ・ジャンクー 出演:チャオ・タオ/チャオ・ウェイウェイ/ウー・チョン/リー・チュウビン/チョウ・チンフォン/ワン・ホンウェイ 

中国の若者たちをヴィヴィッドに描いた前作「プラットホーム」で高い評価を受けた期待の気鋭ジャ・ジャンクー監督が、再び中国の地方都市を舞台に描く青春映画。前作が80年代にスポットを当てたのに対し、本作では現代の若者たちの不安や焦燥を等身大で描く。第55回カンヌ国際映画祭正式招待作品。

ずっとずっと観たかったこの監督。ということはあまり観たくなかったのかもしれない。すでにDVDという手軽に観られる媒体になっているにも関わらず、すぐに観なかったことは、決して純粋に「観たい」とはいえない。だから、観終わった後の私の感想は、因果で「観たかったなんて思っていなければよかった」ということになった。この感想は最高にポジティブだろう。
虚無だったり、それ自体が実在していない抽象的なもの、「的なもの」というか抽象概念を描くとき、「どのように」「なにをもって(媒介として)」描くのか。またそれが実在するものだとしても、「なにを」「どのように」描くのか。関心は常にそこにある。そして、この映画では、まさにこの映画のそれと、私の中のそれが、ぴたりと共鳴した、ということになる。ひさしぶり(ここでのひさしぶりはいい加減だ)に、映画的に語るのがうまいと思う人。