研ぎの足らない御伽噺 nicht so gut
『ラヂオの時間』
製作:1997 日本 監督:三谷幸喜 出演: 唐沢寿明/鈴木京香/西村雅彦/戸田恵子/井上順/細川俊之/奥貫薫/梶原善/モロ師岡/近藤芳正/布施明/藤村俊二/並樹史朗/田口浩正/梅野泰靖/小野武彦/市川染五郎/遠藤久美子/渡辺謙/桃井かおり/佐藤B作/宮本信子
うちの母親は芥川賞よりも直木賞が好きでついでに三谷幸喜も好きと見えるが私はこの映画が別に好きではない。食べ物の好き嫌いは家庭の、おふくろの、マンマノパスタから判断しても分かるように、半ば遺伝的に伝達されていくようだが、映画などすなわち趣味のレベルではそのことは行われないようだ。そりゃそうだ、バカか、このジャップが。ジャップとはつまりジェネレーションギャップの略。家庭の事情(二乗)はこのへんに早めに展開する。さもないと三次方程式になってしまってからではもう遅いのだ。おやつの時間だから。
相変わらずの職人(ものつくり)好きだが、どうも時代認識の甘さが不二家のように濃厚過ぎてペコちゃん然りペロっと舌を出して笑いようものなら叱る。叱ってやる。こういう映画を観るとむしろセンチメンタルと郷愁で悲しくなるから嫌だ。
最後は紋切り型の乱用で意味がぐちゃぐちゃだ。ここで問題。ぐちゃぐちゃな紋切り型(→モンキー→ヤンキー)はいちゃもんをつけるときになんと言うのだろうか?=「てめぇ、喧嘩常套だ!!」)