宇宙ぶらり旅  super

千年女優
製作:2002 日本 監督・原案・脚本:今敏 声の出演:折笠富美子小山茉美/荘司美代子/飯塚昭三小野坂昌也山寺宏一

溜まれば書かなくてはならない。書かなくては溜まるからだ。
チヨコは女優になるために生まれてきたような人だった。彼女は朝起きてから寝るまで、いや彼女なら寝ているときでさえも、女優について考えないことはなかった。彼女の一生はまさに女優としての生涯に捧げられていたのだ。そのためなのだろう。女優業に反すると、家事やマネージメントはもちろん、恋愛さえも、最期まで彼女は関わりをもたなかった。そんな女優一筋に生きる彼女のことを、人々はいつしかこう呼ぶようになった。「専念女優」と。
もはやいろいろなものが宙ぶらりだ。はたしてタイトルも「千年女優」が正しいのか「専念女優」が正しいのかさえ疑問になってくる。
こうもアニメに演じられてはたまらない。アニメは演じることはできない。アニメである以上、描かれるものであり、(肉体を想像させうるような)「演じる」ものではない。だから「役者」というものを第一に想像してしまう映画で、アニメ映画(アニメも映画)ということはひどく気持ちが悪い。でそこを増幅する。チヨコは実在していない。では「何が」演じているのか。なぜ「演じている」のか。ストーリーが絡まっていくのか、CPUの処理速度がついていかず、私の現実が絡まっていくのか。なにだけが変わらず「リアル」なのか。悶々と疑問?ばかり。
そもそも「今」でいうならチヨコはストーカーでお縄だ。美脚。
でも見たのはけっこう前のこと。