尖るジャック・ニコルソン  SUPER

『IL REPORTER』(邦題:さすらいの2人)
製作:1974 イタリア/フランス/スペイン 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 出演:ジャック・ニコルソンマリア・シュナイダー/イアン・ヘンドリー/ジェニー・ラナカー

ぼくはロード・ムービーが好きだ。その理由はまだ分析中だが、きっと旅のもつ浮遊感(根無し草感)に刹那的(手垢にまみれたこの言葉は嫌いだが悲しいかな他に浮かばない)なさびしさを感じてお得意のセンチメンタルにちゃぷんと浸っているのだろう。こんな旅観のため、しばしば見かけるジェイソンに真っ先に殺されるようなバカンス的香りの「旅行」というやつには関心がわかない。というかジェラシーも入り混じって嫌いだ。だからたぶんぼくが「ああ旅をしたい」という時はセンチメンタルに襲われていて、HELP MEのサインだ。でもそこで実際にHELP MEしようものなら、たちまちぼくはKILL YOUしたくなる。どうもはじめまして、ねじれ正一です。
私事が長すぎた。自分などないのに。
とても有名な映画だが、なかでもノーカットで展開する「ラストの7分間」はとくに有名だ。そして覚えてる限り、これまでぼくが見てきたどの映画よりも衝撃的なラストだった。そしてせつなかった。「せつなさ」というのは人が死ぬとか激しいことではたぶんない。「せつなさ」ってもっとどうしようもないんだ。
だがラストがあまりにも衝撃的過ぎて、ラストシーン以外のことはあまり覚えていない。最近、何度かぼくの中でガウディブームが来ることがあったが、この映画をみたときもたしか来たはずだ。
見たのはけっこう前だ。