今週の本

センチメンタルな旅・冬の旅

センチメンタルな旅・冬の旅

荒木の写真は、「風景写真」でもなく、「人物写真」でもなく、ましてや「報道写真」でもなく、「記録写真」でもなく、「(心の)記憶写真」のように感じてならない。またニーチェ永劫回帰がよぎる。
表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)

表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)

「いかにもこの都市を中心を持っている。だが、その中心は空虚である」。バルトが現象学的に描き出す日本の「零度」のナラトロジー。読み進めていくうちにだんだんとバルトの「日本」と打ち解けて、面白くなってくる。しかしまあ、卑弥呼の昔から外国文化を流入し、自国文化を再発見し続けてきた日本にとって「オリエンタリズム」の問題とはなんなのだろう。
武者小路実篤詩集 (新潮文庫)

武者小路実篤詩集 (新潮文庫)

以前に「ムーンライトマイル」で引用されていたので読んでみた。(理由はどうあれ)稚拙な言葉。啓蒙。悩んでいるときに読むと癒される。のみ。
ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)

メディアによる人間の変容に関して、平野啓一郎の言葉から得たもの多。特に身体認証システムの導入を逆に(個人的)身体の危機と読むのは面白い。もろた。アポリア」特集。犬耳は一カ所のみ。実科学的なアポリアの問題系よりも、哲学・思想的なアポリアの問題系を扱ってほしかった。