ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

浅野いにお。「バンドもの」には、強烈なベクトルがある。1.主人公たちは学生か、フリーターのような、いわゆるバンドマンである。2.バンドを組む。3.よって、メンバーという仲間みたいなものがいる。4.楽器の練習をする。5.スタジオに入る。6.ライブをする。7.ついでに恋もする。8.(多くの場合)ライブが何らかの形で盛り上がる、etc…(順不同)。「バンド」という素材を選んだ以上、呪縛ともいっていいこのベクトルから逃れられることはあまりなく、多く場合、記述の運動は平板化する。なにより、ダメ人間がライブのために練習してなにかしら自分なりの成功を収める、という常に右肩上がりなドラマトゥルギーが暑苦しい。残念ながら、このマンガもあまり例外ではない。いっそのこと、今流行りの団塊バンドのマンガでも書かないかな。

「自由になっちゃえばいいじゃん。」
そう囁いた
あの時の魔物が、
実は、
自由そのもの
だとしたら?

なんでもないと思えるこの日常こそが実は幸せそのものだったんだって、
                                      んなことあ。