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街のあかり [DVD]

アキ・カウリスマキ監督。小津的なぎこちないバックショット、普通の映画よりワンテンポ遅い画面の切り返し、一割増しの無意味なカットは、へんなビート感を生む。主人公が無表情で無口なまま、ピンボールゲームよろしく、絵に描いたように次々と事件にコロコロ巻き込まれて行くさまは最高にアホ。とくに映画館とトランプのシーン。ラストの救済感も好き。
なんて愛すべきバカども。

崖 [DVD]

フェデリコ・フェリーニ監督。「救いがない」と評判が悪いこの映画だがそうは思わない。1.ストーリー的にはたしかに悲劇だけれども、映像的には明るい（明度が高い＋かわいている）。2.ラストシーンは悲劇ではない。『カビリアの夜』でもそうだが、ジュリエッタ・マシーナのダンスのシーンはおそろしく好き。

道 [DVD]

フェデリコ・フェリーニ監督。すごい。オフ空間の広がりを利用した万華鏡のような映像風景（表現）。マシーナの（もちろん声も魅力的だが）声がいらないほどの、大きな目をくるくる動かした演技力。これまでの出来事がすべて縮約するラッパのシーン。

『フレデリック・ワイズマン映画祭2008』

「パブリック・ハウジング」。アメリカを代表するドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン監督。彼の、表現的な要素を一切含めず、ただ出来事を集積するというスタイルでもって映し出される映像は、見るものの心に、ロマンチックな「隠された現実」ではなく、剥き出しの「見ていない現実」を突きつける。凄い。