自殺志願者が線路に飛び込むスピード

なんて歌をむかし野狐禅が歌っていたっけ。
さいきん、真ん中走る自殺を誘うオレンジ色の中央線で人身事故が多い。なぜだろう。定説の「5月病」だろうか?それとも雨続きだからだろうか?でも、それは「多いこと」の説明にはなっても、人身事故が起こることの説明にはならない。
あと、人身事故=時間が遅れてむかつくという思考の図式もしょうがない(!)のだが「情報」的で想像力の欠如を感じていやだ。自分に。

私たちは貧困になってしまった。人類の遺産をひとつまたひとつ、次々犠牲にして手放し、真価の百分の一の値で質に入れ、その代償として差し出された<アクチュアルなもの>という小銭を、やっとの思いで手にしなければならなかった。戸口には経済危機が顔を覗かせており、その背後にはひとつの影が、次の戦争が、忍び寄ってきている。
〔「経験と貧困」(1933)『ベンヤミン・コレクション 2』(浅井健二郎ほか訳)383頁〕

今日(2008年5月12日)の日経新聞朝刊の教育23面にある「まなび再考」のコラムがとても涙をそそるものだったので、ぜひここに引用したかったが、「NIKKEI NET」の網の目からはこぼれ落ちて落ちてしまったようだ。
インターネットには「情報」しかない。ネットって、いつからこんなつまらない道具になってしまったのだろう。

ベンヤミン・コレクション〈2〉エッセイの思想 (ちくま学芸文庫)

ベンヤミン・コレクション〈2〉エッセイの思想 (ちくま学芸文庫)