私には嫌いなものがあります。それは、「ヤンキー母校に帰る」など、あの手のヤンキー更生系ストーリーの類です。あれってないと思います。あれではまるで、ヤンキーが更生するのがすばらしいみたいじゃないですか。そりゃヤンキーが更生するのはいいことだと思います。でもその前にヤンキーにならないのが一番いいことなはずです。それなのに最近、「ヤンキー母校に帰る」、千代大海宇梶剛士など、元ヤンをマスコミが大々的に取りあげすぎなように思うんです。これでは今までずっと真面目に生きてきた人たちがかわいそうです。ただでさえ、最近の犯人像は「真面目な人だったのに、信じられません」というのが多く、彼らの居場所はますますなくなってるだろうに。これは違う。そんな不良の誘惑に負けたヤンキーなんかより彼らの方がずっとかっこいい。ずっとすごい。
確かに彼らをドラマや番組にしてもあまり面白くないのは分かります。それに、人それぞれの人生なのだから、ヤンキーになろうが、グレようが、それは個人の勝手だし、良いと思います。でも、社会だけはそれを認めてはだめだと思うんです。元ヤンがかっこよくて、真面目な人が危険な社会。これは少し違うのではないでしょうか。

でも「電車男」のおかげで、もしかしたら、やっと地味な人が認められる時代がくるかもね。