みなさん、さようなら。

バイトの帰り道。
なにやら大きな声で話している老婆を見た。でも、その会話に相手はない。老婆は彼女自身と会話している。周りを通りすぎて行く人々の目は冷たい。私だってそうだ。
このごろ、街で同じような老人をよく見かける。「どうして彼らはそうなってしまうのだろう?」「彼らに話相手はいるのか?」いらぬ妄想に胸がしまる。だからといって私になにができるわけではない。私が影響を及ぼせる範囲なんて、ほんとちっぽけだ。
少なくとも、街は私たちに笑いかけてはいないだろう。
雪が降っている。