ピーター・パーカーと山田太郎

『Spider-Man2』(邦題:スパイダーマン2
制作:2004年アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 監督:サム・ライミ 製作総指揮・原作:スタン・リー 特殊効果:ジョン・ダイクストラ 出演:トビー・マグワイアキルスティン・ダンスト/アルフレッド・モリーナ/ジェームズ・フランコ/J.K.シモンズ/テッド・ライミ

続けて2に突入。もはやヒーロー映画ではないですね、これ。
スパイダーマンの魅力である「普通っぽさ」は全快になりました。ヒーローはバイトと学業に負われる毎日だし、悪役は変なオヤジ(一応天才科学者)に手の生えた奴だし。すべてがいたってオーディナリー。主人公の名前がピーター・パーカーであることや、ヒロインがキルスティン・ダンストであることが2になってやっと分かった気がします。要はみんな「どこにでもいそう」ってことなんですね。
ただ、ストーリーのドラマ性は俄然パワーアップ。ピーターがMJとの恋とヒーローとしての責任との間で悩み苦しむ様は見ていて、胸があつくなります。ヒーローという名の孤独とでもいうんでしょうか。せつないです。
でも、トビー・マグワイアの青い瞳があまりにも少年っぽく輝くせいもあってか、主人公のピーターを見ていても、全くヒーローという気はしません。子供を持つ親の心境とでもいいますか、見ているこっち側としては、可愛い我が子の成長を見守っているような感覚に近かったです。シービスケットでもそうでしたが、トビー・マグワイアにこういう純粋な青年役をやらせたら天下一品かもしれませんね。
今作では、最初っからスパイダーマンなのもあり、アクションシーンは格段と増えてますし(ビルの間を飛び回るシーンはかなり爽快!)、1にあった特撮系のようなちゃちさも気になりませんでした。コメディの要素も強くなっていて笑いどころも多いし、なよっとしたヒーローが許せるなら、十分楽しめる作品だと思います。ただ、ラストのオチはいりません。3・5点。