THE人間

『BEING JOHN MALKOVICH』(邦題:マルコヴィッチの穴
監督:スパイク・ジョーンズ 脚本:チャーリー・カウフマン 音楽:カーター・バーウェル 出演:ジョン・キューザックキャメロン・ディアスキャサリン・キーナージョン・マルコヴィッチチャーリー・シーンブラッド・ピット

うわー、大好き。こんなすごい脚本見たことないっ!!
なんて摩訶不思議なんだろう。冴えない人形使い。7と2分の1階のオフィス。腰を曲げて行き交う人々。言葉の通じない女。そして、マルコヴィッチの(ケツの)穴。真っ暗な部屋にヘッドフォンという完全武装で観ていた私は、もうカウフマン・ワールドにどっぷり鳥肌。
とにかく脚本が凄すぎる。観ようによってはコメディとも、ホラーとも、ラブ・ストーリーともとれる万華鏡のようなストーリーは、そのハイカラさとは裏腹に、見るものに“自我”を問い掛ける。この映画が描いているのはまさに人間存在の業そのもの。マルコヴィッチに必死ですがりつく人々の姿には苦しいほど胸を締め付けられた。とりあえず、観終わった後の泣きたくなるような切なさをどうにかしてほしい。
まったく、どうやったらこんなものが描けるのだろうか。文句なしに面白い。アッパレ。5点。