魂の道映画  4・5点

『WAKING LIFE』
製作:2002年 アメリカ 監督・脚本:リチャード・リンクレイター 音楽:トスカ・タンゴ・オーケストラ 声の出演:ワイリー・ウィギンズ/イーサン・ホークジュリー・デルピースティーヴン・ソダーバーグ

2001年のサンダンス映画祭で注目を浴び、その他各国の映画祭などでも新世紀のトリップ・ムービーと熱烈な支持を集めた前衛的アート・フィルム。実写映像にデジタル・ペインティングを施すという斬新かつ実験的な手法がこれまでにない映像体験を実現した。


圧倒的な情報量の多さ、という言葉、またそれから想像される作品が私は大好きであり(私事なんでどうでもいい)この映画もそういう映画である。
画中にストーリーはなく、ほぼすべて哲学的な会話が渦のようにばっこばっこ跋扈する(ちなみにこの跋扈<ばっこ>という語も私は好き)のみで退屈だ、という人も多いであろうが、哲学にきゅんと恋する乙女ではなく乙男(これで<おとこ>と読もお)である私はこの映画は大のお気に入り。

夢の中で感じる時間は現実の時間よりも遥かに長いという。授業中に居眠りをしてしまい、ハッと目覚めたら、まだ5分も経っていなかった、という経験をしたことがある人は多いだろう。また人は死の際に、心停止後も約5分ほど脳はその活動を続け、今歩んできた人生を追憶しているという(走馬灯)。これは私の定かではない記憶のそのまた類推である。
今、あなたわたし(You & I)は生きている。はたしてそれは本当だと言い切れるだろうか。
サントラも買った。