最後の清算 映画篇(9)

もしかしたらホッブズの『リヴァイアサン』について書いているのかもしれない。
ひどく具合が悪そうだ。自分を中心に回る自分に目が回ってしまう。本来自分の箇所に入るものさえもうない。とにかくこれだけ情報が溢れきってしまった以上もはや何か(対象)を論じることができないのは明らかだ。今、可能なことは何かについての何かを語ることだけでしかない。そこには神も悪魔も怪物も正義も道徳も存在せず、なにもない語りだけが続いている。とまでは思わずとも、これではまるで万人の万人に対する闘争(Bellum omnium contra omnes)ではないか。
超人よ、現れ。