交わることのない距離として  cool

『PARIS, TEXAS』(邦題:パリ・テキサス
製作:1984年 西ドイツ/フランス 監督:ヴィム・ヴェンダース 脚本:サム・シェパード/L・M・キット・カーソン 音楽:ライ・クーダー 出演:ハリー・ディーン・スタントンナスターシャ・キンスキー/ハンター・カーソン/ディーン・ストックウェル/オーロール・クレマン

テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。さすらいの監督W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て、ロード・ムービーの頂点を極めた秀作で、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。

都会のアリス、まわり道、とくれば最後は、さすらい(3部作完結)、となるはずだが、ロゴスの趣くままに生きる(生きていこうとする)わたしはここでパリ・テキサスを借りて、さすらいはそのまえに2度ほど返却した。ということはロゴスの趣くままにというのは嘘で、少なからず王道を歩いてはいた。
―回帰―
ロードムービーそのものに付随する距離感を頑なに誇示(固持)しようとする姿勢はまさにロード・ムービーの頂点を極めた、とは言えないまで嫌いではない。