末人

電車内に紙袋に入れた本を忘れてしまった。今日買ったものもあったし、なにより早く読みたかったので、最寄駅に照るした。すると、駅員は「分かれば、本の題名を言って下さい」とのたまう。そこで、ツァラトゥストラはこう言った
「えっとー、ドイツ悲劇の根源と、反時代的考察と、複製技術時代の…(以下略)の計5冊です」。
言いつつ、しかも駅員、聞き取れなかったらしく、二度ほど繰り返して言いつつ、我ながらこいつ(とは私)頭がおかしいんじゃないのか?と思った。「ドイツ悲劇の根源」なんてワード、電話口で声に出して言うもんじゃない。しかも、反時代的考察って、いまどき、アナーキスト!?
こうしてツァラトゥストラの没落ははじまった。