今週のBOOK

ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読 (岩波現代文庫)

ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読 (岩波現代文庫)

過去の救済。石、廃墟、くずや塵となった現在の「過去」を救うベンヤミンの「星座」的思考法。比類なし。知覚せよ。ベンヤミンの中心(にして根本)概念。
ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)

ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)

アウラを物質的性質ではなく、「心的な(集団的)現象」と読むのは面白い。が、ベンヤミンがリーグルの概念から発展させた「触覚」の人であるのは納得だけれども、その「触覚」とはなんなのよ。尻切れトンボ。
図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)

図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)

ベンヤミンが初期の写真に見たものはアウラの凋落ではないと思う。
文化防衛論 (ちくま文庫)

文化防衛論 (ちくま文庫)

嫌オタク流』→「文化防衛論」。伝統的な文化観はもちろん、肉体も、天皇も文化に結びつけるミシマ。右や左ではなく彼は文化防衛論者なのだと感じる。途中論理の跳躍についていけず難。
デリダと歴史の終わり (ポストモダン・ブックス)

デリダと歴史の終わり (ポストモダン・ブックス)

後期(政治的)デリダのあんちょこのあんちょこ。「ポスト〜」や「〜の終焉」と簡単に言ってのけるのはちと早計ではないか?「歴史の終わり」に遅れていく(差延)。歴史(マルクス)の亡霊とデリダ井戸田でなくとも「(内容)うす〜い」。
フロイトと作られた記憶 (ポストモダン・ブックス)

フロイトと作られた記憶 (ポストモダン・ブックス)

正直タイトルが一番おもしろい。フロイトの「隠蔽記憶」や「抑圧」の入門の入門。悶々。フロイトの射程はやはり「個人」までなのか。