グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈下〉 (ちくま学芸文庫)

グラモフォン・フィルム・タイプライター〈下〉 (ちくま学芸文庫)

キットラー。メディア論。「序論」「フィルム」「ニーチェとタイプライター」。事の真偽を問わず、「物語」(ないし「虚構」)として、または身振りとして読むなら、この話はおもしろい。でも、深追いして書かれている内容について「理解」しようとするなら、決して十分に読めているとは思わないけど、この「人間からコンピューターへ」の理論の先にあるものは、たぶんつまらない。
ベンヤミン (KAWADE道の手帖)

ベンヤミン (KAWADE道の手帖)

ベンヤミン・ハンドブック。論の体裁を気にせず自由に語ることのできる「対談」の内容の(ベンヤミン解釈における)奇抜さに対して、書かれた論文がこうも「キャリア(箔)」的に見えてしまうのは、なぜだろう。山口裕之の(ベンヤミンの)「メディアに関する言説を支えるものとして歴史哲学テーゼを読む」という試みは面白かったけど。
生意気かつ悪くいえば、「だけど、おまえら本当にベンヤミンについてそんなこと語りたいのかよ?」って。