めがね

市川実日子が出ているから、ではなく、招聘研究員として大学に来て下さっていた映画研究者の方が勧めていたので見てみる。
技巧くさくもならず、重苦しくもならないロングと長回しのショットの交換は、映像をたゆたわせ、「もの」や「こと」への暖かな眼差しと、「たそがれ」のリズムを生む。中でも、物語上でも重要なシークエンスを占める2つのショットは(僕の映画経験の中でも)ものすごく好きで、そのショットが見られるだけでも何十回もこの映画を見たい。また、これまた物語上、重要なシークエンスで、ドイツ語の詩が朗読されるからもうドイツ語学習者には堪らない。僕は漫画の『よつばと』が大好きだが、この映画はよつばとの映画版といってもいい。
この映画は、時が止まるのではなく、時を泊める。最高に好きだ。




Mir ist bewusst, was Freiheit bedeutet.