自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

ここまで淡泊で表層的な自虐(悲劇)の描写は俳句みたいだし、ラストはものすごく、哲学だ。これは「愛」の描写ではない。もっとでかい、「存在」の描写だ。
同じ出来事が繰り返すだけに、冗長な部分もあるが、この「自虐のビート」(こんなもの他の「作者」に描けるのか?)にハマると心地よくすらある。小林よしのり内田春菊、両者のあとがきも、この2人がいかにこの作品を愛でているかが読み取れて、『自虐の詩』の雰囲気がそのまま伝波している。
でもちょっと「ジェンダーの人」とかに読ませてみたい気もする。