差異と反復〈上〉 (河出文庫)

差異と反復〈上〉 (河出文庫)

反復。(ニーチェを除いて)これほど「動的」で「運動的」に思想を感じたことはない。上巻しか読んでいないため、まだ『差異と反復』の全体像に関してはなんともいえないが、ドゥルーズの身振りとは、まず第一に「思考のジャック」だ。

思考において始原的であるもの、それは不法侵入であり、暴力であり、それはまた敵であって、何ものも愛知(哲学)を仮定せず、一切は嫌知から出発するのだ。
             〔ドゥルーズ『差異と反復(上)』財津理訳、372頁〕

ドゥルーズの脳内ジャックに対して、時に寄り添い、時に抗う読書体験を、僕は「旅行」とよぶ。