ウォン・カーウァイ。表現的に。オン画面における「映像の暴力」。1.そのまま「暴力」と形容したくなるほどの荒く高速なカットの転換(癲癇?)。2.ドアップと極遠近法的構図。3.カメラにまで飛び散り付着する血。
それに対する、(オンで)ほぼ話さない主人公の、映像世界を包むオフモノローグの優しさ(温かさ)。
という、コントラストであり、狂気であり、悲しみであり。大好き。
戦艦ポチョムキン [DVD]

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サイレント。エイゼンシュタイン。『ポチョムキン』を見ずして映画を語るな、という本質論ちっくな物言いには納得しないが、たしかに、どの「映画」も奥に秘めている(カットの、音の、感情の)運動の力のすべてがこの映画にあるといいたくなる。しかし、だからこそ、それを「モンタージュ」という撮影技法として、エイゼンシュタイン個人の産物のように誇張することには賛成できないし、問題があるだろう。
有名なオデッサの群衆シーンよりも、甲板の群衆シーンの方が好き。