Wong Kawaiの独白みたいに

隣の画家見習いの家から女の叫び声が聞こえてくる。どうやら捨てられてしまったらしい。隣家に響くほどの大声で泣きながら必至に抗議している。だが、僕には(もちろん彼女のことを見たことはないが)彼女が「別れない」と思っていたことの方が不思議でしょうがない。というのも、明日の見えないモラトリアムな環境のせいか、それとも自分の性格そのもののせいか、いまの僕にはなにか時間を継続と捉えることができないからだ。だからといってべつに「いまを生きろ」みたいな(よくありがちな)「イイ」ことを言うつもりもない。ただ、僕にはいま目の前にある物事が次の瞬間も変わらずそこにあり続けるなんてこと、到底思えない。