眠り姫

レイトショー。ほぼ全編を通して、人物が画面上に登場せず、(一見、脈絡のない)風景ばかりが映されるという実験的な映画。
「実験的な」ということは、これまでの何かに対して、「実験的な」ということになるのだろうが、この映画の場合それがなにかということを考えると、(当初の意図はどうあれ)ただ人物を映さないことのみにおいてしか効果をあげているとは思えない。「物語性」に対する言及があるかといえば、一貫したモノローグはしっかりと話を直線的に説明してくれるし、「聴覚性」に関しても、厚かましいほどの(悪い意味で映画的な)BGMが流れているし。これでは、映画がただファーストパーソンシューターFPS)またはサウンドノベルに変わっただけなんじゃないだろうか?
面白かったことといえば、ネコがかわいい、ということと、ファックスはホラーだ、ということぐらい。