海獣の子供 (1) (IKKI COMIX)

海獣の子供 (1) (IKKI COMIX)

海獣の子供 (2) (IKKI COMIX)

海獣の子供 (2) (IKKI COMIX)

五十嵐大介五十嵐大介というと、常人離れした画力はあってもストーリーはつまらないというちぐはぐ感が印象があったが、この漫画では彼の画力でしか描けない読ませる内容もまた手に入れており、その内容が「自然(/人間)の思考」だ。物語を(ただの)虚構として描くのではなく、ただ人間の思考から自然の思考に少し思考をズラすだけで「非日常」が存在する、というような物語を現実と地続きに置く非人間的思考の身ぶりを強烈に実践しているこの漫画に対して、思わず「これが漫画だ!」なんぞと本質論ちっくなことを口走りそうになる。
雨、水、風などの自然描写は圧巻。琉花がかわいい。面白い。
おやすみプンプン 2 (ヤングサンデーコミックス)

おやすみプンプン 2 (ヤングサンデーコミックス)

浅野いにお。各話にはタイトルがなく、区切りがないため、ダラダラと展開していく物語は「時間」を強く意識させ、ときおりそれが「パシッ」と停止されるいくつかのコマや表題は写真(のワンショット)のよう。
いや、『おやすみプンプン』にとってコマとは写真そのものではないか。面白い。
いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく

西原理恵子。泣けると大評判だが、たぶん「大人」になって読み返したら面白いのだろうと思うも、いまは「いけちゃん」のかわいさがワザとくさく感じて泣けない。子どもの「子どもさ」といけちゃんの目線の温かさは素敵。