しあわせ

しあわせ

テーマ的に。この漫画で展開される,暑苦しいまでの「本当のしあわせ」なんて本当はないんだ(偽善なんだ)!という身振りは,どこかの口髭のおっさんの「神は死んだ!」という叫びに似て,実際には,ことごとく「本当のしあわせ」にこだわっていて,うざい。
「本当のしあわせ」があると言うことが偽善ならば,「本当のしあわせ」がないと言うこともまた偽善だろう。
そして,初期の『寄生獣』のように,線がきたなく絵がヘタ。
だが、そうした「本当さ」がどーでもよくなる(真実味は大事だが)SF的2篇(「視線ごっこ」「反抗ヘンカンキ」)は、持ち前の少ないページ数でも奇抜な展開を見せる短編と相まって、つまらなくない。