大日本人 通常盤 [DVD]

大日本人 通常盤 [DVD]

冒頭から前半部にかけての、映画であろうと(むしろ映画だからこそ?)「ちゃんとしない」(ヘンテコ)という断固とした身振りは、映像的な強度もあっておもしろかったのだけれど(CGもやっていることはふざけてるが、CGの出来としては全くふざけてない)、話をいつまでたってもワンショットのインタビュー形式でつながれては、幾らなんでも構成的に見ていて飽きがくる。そしてラスト。「おふざけ映画」が映像的にもふざけてしまっては、コンセプトだけになってしまいどうしようもない。
ただあらためて思うが、松本の選択する会話というか言語はどれも絶妙にぐずぐずで、非凡な力を感じる。
紅の豚 [DVD]

紅の豚 [DVD]

また豚をみた。その理由の憶測も含め、今の豚に対する解釈は次のようにパラフレーズできるだろう。「自由を求め、人間でいることをやめた豚が、フィオというひとりの少女を媒介に、再び世界への信仰を取り戻す、ただ粋な物語」。映されるのは、青い空、青い海、白い雲、赤や青の飛空挺、粋な男と女たち。映画論的には宮崎駿美学の結晶といってもいい。