鈴木清順監督。能のような、歌舞伎のような、もはや狭義の「映画」ではおさまりきらない、跳躍する映像のつなぎは、ともすれば、省略のようでもあるが、西洋的な「ミニマル」の概念は当てはまらない、こんな映画をなんと形容したらいいだろう。
タイトルをひねって「妖艶」とでもだじゃれようか、それとも、主演の松田優作から引っぱって「なんじゃこりゃあ」とでも言おうか、がどうもしっくりこない。畢竟、この映画も登場人物も、「畜生でもない、人間でもない、妖(あやかし)」なのだ。
また、大概どこを見ているのか分からない、女優たちの目線や構図にスザンヌセザンヌの絵画を対照してみてもいい。
そして、『PARTY 7』、『ツィゴイネルワイゼン』に続き、原田芳雄がぶっとんでて、いいのだこれがまた。