くさくさしながら

雑記。外は雪。せっかくだから過去に文豪と呼ばれた男たちの【雪】のタグで括られる小説、谷崎潤一郎細雪』、川端康成『雪国』、三島由紀夫『春の雪』なんかを周読したいなと思うも時間がない。まあいいか、杉浦日向子の読む江戸人に言わせれば「雪見とは決して利口の沙汰でなし」というし。
外国に長く滞在するとはこうした日本文学的なディスクールとおさらばするということも同時に意味するのだろう。寂しくないはずがない。自分の近頃の日本文学的なディスクールに対する粘着的な興味はきっとこの旅愁に似たアンビヴァレントな感情から来ているのだと思う。「さよならは別れの言葉じゃなくて再び逢うまでの遠い約束」なのだから。