夏季五輪限定弁当: サマランチ

ゲーテの形態論に関する文庫を読み流し「萼」(がく)の字を辞書で引いていると「台」(うてな)という言葉に巡りあう。このごろ母音が「う」の文字になにか幼児性への父性愛めいた気持ちのもやもやを感じていたがこの「うてな」という言葉のもつ響きはまたLolitaで萌える。
猫のマンチカンが他の一般的な猫の種類と比べて人気をあつめ「かわいい」として思われているのは表象のレベルでなによりまず手足が短いからだと考えられる。それと比べて人間は手足が短いことが「かわいい」としては表象されることはあまり多くない。キモの接頭語をつけ「キモ+かわいい」ならまだしも。そのことはたとえばファッション雑誌やポスター、TVCMなど広告系全般において手足の長いモデル体型がいまだに闊歩していることを考えれば一目瞭然だ。ちなみにこのモデル体型というやつ、フォルムとしてすでに動物よりも植物に近づいてきてはいないだろうか。擬音語で形容するなら絶対に「にゅ」だ。
ということはたとえば上記のゲーテの形態論でも問題になっている昔からの動物と人間との境界線という問題。ここでは表象のレベルで、そのひとつの区切りとして手足の長短が挙げられるのかもしれない。というのも、東浩紀の『動ポモ』いわく動物化が進み、「手足が短い」として表象される日本人は、あの緑と白でできた出口表示のピクトグラムの国際規格を定める際にもたしか西洋と日本間でそのピクトグラムにおける手足の長短に関してもめたのだ。

ゲーテ形態学論集・植物篇 (ちくま学芸文庫)

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動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

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ピクトグラムのおはなし (おはなし科学・技術シリーズ)

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