哲学

島田紳助/松本人志 著の『哲学』(幻冬舎)という本を読んだ。この本を読めば、天才、才能というものが分かる。松本紳助2人の笑いに対しての姿勢や深い人生観などかなり細かく書かれており、天才たちの日常、こころの中を垣間見えるといってもいい。でも、それだけの本。別に書かれている言葉も会話形式で読みやすいし、つまらない本ではない。むしろおもしろい。でも、それだけの本。この本を読んで特になにか啓発を受けることはない。「ああ、すごいな、これが天才、才能ってもんなんだな」そう思うだけ。この本を読んだからといって、いまさら自分が笑いの道を志そうと思うわけではないし、自分が天才になれるわけではない。また仮に、笑いの道を志す人がこの本を読んで松本紳助の真似をしたところで売れるようになるとは思わない。そういった意味でこの本に意味はない。まあ紳助を見直すきっかけにはなるかもしれないが。だから、この本はなにかの肥やしにしようと思って読む本ではない。肥やしにしてしまってはむしろ逆効果とさえ思う。天才には天才の、自分には自分の道がある。だから、人のレールを歩んでも、しょうがない。凡人かもしれないが、私たちは夢をもてる。夢をもてる分だけ、私たちは走っていられる。光のあたるところだけが人生じゃない。道はひとつにあらず。