日本の兄弟 (Mag comics)

日本の兄弟 (Mag comics)

松本大洋94〜95年あたりの短編集。「何も始まらなかった一日の終わりに〔ハルオの巻〕」は『GOGOモンスター』を、「闘」は『ナンバー吾』を、「日本の兄弟」は『ピンポン』をほうふつとさせるなど、著者のエッセンスがすべて詰まっているような本だが、その中でも、とりわけどの話にも通底音として流れているのが『鉄コン筋クリート』。「目で見るなっ/耳で聞くなっ/光を創るなっ」という「日本の友人」の叫びがこだましている。