森山大道展Ⅰ.レトロスペクティヴ1965-2005/Ⅱ.ハワイ

森山大道は「アレ・ブレ・ボケ」でも、『新宿』でも、なにか60年代的な「一生懸命な汚さ」を感じてしまいあまり好みではなかったのだが、「ハワイ」展で一掃。ジム・オルークの『Happy days』を使用した映像作品も含め、すごいくる。
これは、規制の「ハワイ」像に対するアンチテーゼというつまらない小手先だましなんかではない。写真の「写心」的転回だ。ドイツ表現主義の例でもそうだが、やはりアーティストと南方というのはなにか親和性があるのだろう。
「レトロスペクティヴ」展の方も、あう種アラーキーのベクトルとは真逆ともいえる、人間(の皮膚)の無機物化/マネキン(の皮膚の)有機物化など見所はある。