地球

今日、彼がおならをした。私は臭いと思った。そのとき、ふと以前友人が「おならは粉末のうんこ」と言っていたことを思い出した。でも私におならは見えない。花の蜜の香りも、夏の汗の臭いも、私には見えない。においはあるのだから、何かしらの物質は私の顔の側にあるはずである。でも私に、そのにおいは見えない。科学のことはわからない。でも自分よりずっとずっと小さな生き物たちには、もっとたくさんのものが見えていると思う。埃や塵などの小さな乱気流でさえ、彼らは見ているのかもしれない。きっと、においも。人間は大きい。でも私達に見えるものは少ない。生き物は、大きくなればなるほど、見えるものが少なくなっていくのだと思う。